私がインド古典音楽を寺原太郎先生に習い始めて、いちばん最初のレッスンで学んだこと。
それは、いちばん基本的なことであり、いちばん大切なことでした。
それは、「凪」の状態です。
わたし達の声は、それぞれ高さが違うので、歌う時の中心音もそれぞれ違います。
中心音とは、歌が始まるところであり、還ってくるところです。
大体、男性はD辺り、女性はA辺りです。先生が見つけてくれます。
自分の中心音、それをひたすら真っすぐにうたうこと。
風ひとつ無い、ほんの一瞬の揺らぎもない、まっ平らな海。
世界をそのまま映しかえす水鏡のような、凪。
心身の安定したバランスと、日々の練磨によって、
時が止まったかのように、永遠が訪れたかのように、
凪のように、まっ平らに歌うことができます。
そのまっさらな世界に、それぞれの「ラーガ」を彩っていきます。
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