2013年11月5日火曜日

凪 (なぎ)


私がインド古典音楽を寺原太郎先生に習い始めて、いちばん最初のレッスンで学んだこと。

それは、いちばん基本的なことであり、いちばん大切なことでした。

それは、「凪」の状態です。

わたし達の声は、それぞれ高さが違うので、歌う時の中心音もそれぞれ違います。

中心音とは、歌が始まるところであり、還ってくるところです。

大体、男性はD辺り、女性はA辺りです。先生が見つけてくれます。

自分の中心音、それをひたすら真っすぐにうたうこと。

風ひとつ無い、ほんの一瞬の揺らぎもない、まっ平らな海。

世界をそのまま映しかえす水鏡のような、凪。

心身の安定したバランスと、日々の練磨によって、

時が止まったかのように、永遠が訪れたかのように、

凪のように、まっ平らに歌うことができます。


そのまっさらな世界に、それぞれの「ラーガ」を彩っていきます。

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